のれん

楽屋暖簾の生地の種類について

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これから楽屋暖簾をお作りになられようとされている皆様にとっては、本当に喜んでもらえる楽屋暖簾を作りたい、こだわりのデザインをイメージ通りの仕上がりにしたい、初めて作るため良いものが出来るか不安、など様々な思いがおありだと思います。

ここでは、楽屋暖簾を製作する上での重要な要素である「生地」について、それぞれの特長から選び方までを解説致します。
その他の、楽屋暖簾を製作する際のポイントについては楽屋暖簾を製作する際に抑えておきたいポイントの記事で詳しく説明していますので、宜しければ参考にしてみてください。

楽屋暖簾に使われる生地の種類

楽屋暖簾に使われる生地は大きく分けて、正絹、綿、ポリエステルがあり、それぞれの中でも特長の異なる種類が存在しています。
目的に合わせた生地を選択頂くために、それぞれの生地のポイントを説明します。

「正絹ちりめん」

元来、「正絹ちりめん」の楽屋暖簾を掛けられるということは一流の役者である証であり、役者さんにとってもこの生地を使った楽屋暖簾を贈られることは名誉なことにあたります。
柔らかな質感とシボが生み出す独特の表情、程よい光沢感を持ち、上品で風合いのある仕上がりになります。「正絹ちりめんの楽屋暖簾を贈りたい」とお考えの方に選ばれる最高級の生地になります。
最もよく使う種類は「一越ちりめん」という種類で、シボが美しく柔らかな風合いがあります。また、シボが高いことが特徴の「鬼シボちりめん」という種類も使用することがあります。

一越ちりめん

鬼シボちりめん

「正絹羽二重、塩瀬」

羽二重はたて糸、よこ糸に撚りをかけずに織った平織りの生地で、薄手で美しい光沢感が特徴です。羽二重よりも厚めで少し表面の凹凸に特徴がある生地を塩瀬といい、こちらも楽屋暖簾に使用されることがあります。

正絹の生地の染色方法は、引き染めと、ごく稀に友禅染めを用いる場合があり、いずれにしても熟練の職人による昔ながらの本染めで染め上げることにより洗練された風合いを生み出すことができます。そのため、フルカラーのデザインなどには対応出来ませんが、そのぐらいの色数でシンプル目のデザインの方が最も映える生地になります。
これら正絹の生地を使用したい場合はデザイン案を業者に送って対応可能か確認して頂くのが良いと思います。もし、元々のデザインでは対応出来ない場合には、どのように変更すれば対応出来るかを確認し、ご判断されることをおすすめします。

羽二重

塩瀬

「綿」の生地について

綿の生地は、サイズの自由度が高く、正絹よりも比較的費用は抑えることが出来ます。
綿の生地にもたくさんの種類がありますが、楽屋暖簾の場合、当店であれば主に60番ブロード、スラブ、シャンタンなどを使用することが多いです。それぞれの特徴について見ていきましょう!

「60番ブロード」

織地のキメが細かく、比較的透けにくく光沢が高級感を与えてくれます。細かいデザインでも型際が大変綺麗に染め上がるのも特徴のひとつです。

ブロードの生地

「スラブ」

撚りのかけ度合いを変えた糸を使用して織ることで透け感が均一ではなく、ふしが所々現れる独特の凸凹感が特徴です。
ナチュラルで厚みがあるしっかりした素材感がお好みの場合はおすすめの生地です。

スラブの生地

「シャンタン」

縦が絹糸、横が玉糸で織られた平織物でスラブのようにふしがありますが、ふしが横一線に繋がっているところが特徴です。風合いのある表情に加え上品な光沢感があります。

シャンタンの生地

ポリエステルの生地について

ポリエステルちりめん

ちりめんのような風合いを持たせたポリエステル素材の生地で、シワになりにくく乾きやすい等、取扱いが容易であることも特徴です。染色方法は、単色であれば分散染料の捺染、フルカラーであれば昇華転写捺染で対応でき、デザインの自由度が高く価格も比較的抑えることが可能です。正絹ちりめんを使いたいが、デザインが複雑であったり、価格を抑えたいという場合におすすめの生地です。

ポリエステルちりめん

 

以上が楽屋暖簾によく使うおすすめの生地になります。今回紹介させて頂いた以外にも生地の種類はありますので、より詳しく知りたいという方や、実際に生地を見て決めたいという方は、京都の老舗『加藤健旗店』までお気軽にお問い合わせください。生地見本の発送も承りますのでご相談させて頂きながら、最適な生地や染色方法を提案させて頂きます。

 

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