半纏 法被

法被と半纏の違いをわかりやすく解説|加藤健旗店ブログ

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自分が今着ている、もしくはこれから作ろうとしているものは法被なのか半纏なのか迷う場合というのはあろうかと思います。それもそのはず、現在は、お祭り衣装、職人さんの仕事着、宿泊施設や飲食店のおもてなしの場などで殆ど区別なく着用されている場合が多く、どちらも間違いではないということが言えると思います。ただし、ルーツを辿ると違いがあり、場合によってはその歴史的背景を踏襲されていることもあるので、それぞれの由来を知ることで現在の使い方が元来の法被と半纏のどちらに近いのか知っておいて損はありません。今回はその違いをわかりやすく解説させて頂きます。

法被も半纏も江戸時代の中期以降に生まれたものですがそのルーツは異なるとされています。それぞれの形で普及し、それが現代ではほぼ同じ用途で使われているものと言えますが、法被は、江戸中期の逼迫した財政状況の中、羽織を作る際の貴重な反物の節約という視点から登場した羽織を簡略化したものになります。羽織よりも手軽に作れる上等品ということで広まり、特長は、単の羽織のような短衣で胸紐があり、紺、縹で染め、家の印を背と裾まわりにつけられていました。

半纏は、江戸時代1830年の天保の改革にて、一般庶民に着用を禁止された羽織や羽織を簡略化した法被にかわって流行したものとされています。仕事着の上衣として帯を締めたものが古く、一般にハンチャと言われていました。この頃の半纏は羽織や法被と区別するために胸紐は無く襟は折り返っていないこと、袖は広袖は無く筒袖等で比較的短かったとされています。

庶民の間で普及する過程として、当時憧れの的であった火消しが半纏を着用することでこれが急速に法被の代わりとして普及していきます。火消し半纏から波及して印半纏として商人や職人が着用し、また、皆が祭礼で所属や立場を示すために祭り半纏として着用されていきました。

法被

 ・羽織の簡略化がルーツ

 ・武家で着用

 ・襟が折り返っている

 ・胸紐がある

 

半纏

 ・羽織、法被の庶民着用禁止がルーツ

 ・庶民が着用(火消し、商人、職人、祭礼)

 ・襟が折り返っていない

 ・胸紐がない

庶民の法被着用が禁止→襟が折り返っていない半纏を着用→背中や襟に屋号や紋を入れた印半纏が普及  

 現在は法被も半纏もほとんど同じものとして仕事着や祭りで使用されており、法被=印半纏(背中や襟な屋号や紋を染め抜いたもの)と言っていいかもしれません。また、関西の方が法被と呼ぶケースが多いようで、江戸から 離れていたことで法被着用禁止の取締りや火消しの影響を受け難かったことが理由とする説もあります。

今はどちらの呼び方も間違いではないと思いますが、もし祭礼等で使用される際は、歴史的背景が影響している場合があるので、代々法被と半纏どちらで呼ばれて来たかを確認してそれを踏襲していくのが良いと思います。

紋やロゴを染め抜いて所属や誇りを示す大切な正装であることを理解し、作り手としても引き続き着用される背景を意識して丁寧に製作してまいります。

法被/半纏の製作をお考えの場合は、京都の老舗『加藤健旗店』までお問い合わせください。
きっとご期待以上の法被・半纏をご提案させていただきます。

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