半纏(はんてん)・法被(はっぴ)をオリジナルで作られる際に、安っぽくない風格のある仕上がりにしたい!という方は沢山おられる、というかほとんどの方がそのような思いをお持ちだと思います。
しかし、デザインは重視するけど、生地や製法をあまり考慮せずに業者に依頼し、「思っていた仕上がりと違う」という失敗はよくあります。
デザイン以外にも、特に、「生地」は見た目と醸し出す雰囲気を決める重要な要素ですので、半纏・法被をオーダーする際には、デザインと合わせて検討する必要があります。
逆にしっかりした生地であれば、シンプルなデザインでも非常に格好良く、格別の雰囲気を醸し出すことが可能です。また、お祭り用や職人様の作業用など、目的や用途を考慮しておくことで満足度が変わってきます。
しかし、生地を選ぼうとしても一般的なWEBサイト等では沢山の生地が羅列されていて結局のところどれが良いのか判断に迷う場合もあるかと思います。
今回は風格ある半纏・法被に適した特におすすめの3種類の生地とその特徴について紹介させて頂きますので、オリジナルの上質な半纏・法被を制作される際の参考にしてみてください!
なお、先にデザイン等を考えたいという方は、半纏・法被のデザイン、仕立てについて
の記事でデザインやお仕立ての抑えておくべきポイントを紹介していますので、参考にしてみてください!
1.しっかりした厚みと独特の表情 『綿スラブ』
まず、風格と高級感があり、ちょうどいいしっかりした厚手の生地でオールシーズン使える『綿スラブ』は見た目と実用性を兼ね備えている上質な生地です。
その上で横に不規則に入る畝が独特の表情を作り出し、生地感を楽しむこともできます。
さらに生成色の生地を使用することで染め抜いた部分の色味が和の雰囲気を醸し出し一味違うこだわりを見せることが出来ます。
また、生成り色をベースに紋を染めるというデザインでも映える生地になります。
2. Simple is best 定番生地『十番天竺』
和の半纏・法被の定番生地といえば十番天竺です。
しっかりとした厚みがありますが、厚みの割には軽くて通気性も良く柔らかさもあるので
汎用性が高い生地です。
例えば、一般的にイベント用の法被などはポリエステルの生地を使用される場合が
多いと思いますが、この生地を選択することで一味も二味も違う印象になり、
また、長く使用出来る上質なものとなります。
使いやすくシンプルで「良い物」を求めている方には間違いないでしょう。
3.軽やかに生地感を楽しむ『シャンタン』
綿スラブと同じように独特の畝がある生地ですが、不規則に顔をだすスラブとは異なり、
一直線に走る畝が特徴的な生地です。
綿スラブと同じように厚みもあると思いきや、薄めでとても軽い生地で夏場にもおすすめです。
生地でこだわりを表現しつつ暑い時期にも着用出来るものとしては最高の選択肢と考えます。
番外編 刺子半纏
今回は比較的重厚感のある見た目の生地の中でおすすめを紹介していますが、
刺子半纏はその中でも特別と言えます。
選択肢というよりは、刺子を選ぶ方は最初から刺子狙いで選ばれる場合が多いです。
江戸時代の消防半纏に多く使われており、火事場ではこの生地に水を吸わして消防にあたられていました。
現代でもそのルーツを大切にして消防団等で着用される他、お祭りや、火の粉がかかっても耐えられる生地が必要ということで花火職人さんなどでも使用されています。
刺子の組織が、染色した時に市松模様で独特の表情に仕上がり、消防に使われていた歴史的背景も相まって特にこだわりのある方や、刺子じゃないといけない、という場合にオーダー頂いています。
半纏・法被の生地はどこを探しても多くの生地が羅列されていて選択が難しい現状があるため、
3種類+1に絞って紹介させて頂きましたが、これらを軸として、信頼出来る業者に相談することで他の細かな要望に合わせていくことが出来ますので、是非参考にして見てください。
もし、業者探しで迷っておられるなら、当ブログを運営する京都の老舗『加藤健旗店』までお気軽にお問い合わせください。
ご納得頂いて生地を選んで頂くためにも、無料で生地サンプルの送付やお見積りをさせて頂き、
きっとご期待以上の法被・半纏をご提案させていただきます。